【現役デザイナーに聞いた】副業を始めるコツはWhatとWhyを深掘りし、自分をデザインすること

【現役デザイナーに聞いた】副業を始めるコツはWhatとWhyを深掘りし、自分をデザインすること

副業でデザインの仕事に挑戦したいけど、未経験もしくは経験が浅いので自信がないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、デザイナー兼グラフィックレコーダーとして本業でも副業でもデザインのお仕事に取り組まれている和波 里翠(わなみ さとみ)さんに、副業を始めた経緯や仕事に対する考えについて伺いました。

これから副業に挑戦する方へ向けてのメッセージもいただいたので、デザイナーとして副業を始めようか迷っている方はぜひ参考にしてください。

 

和波さんプロフィール

2015年にDeNA入社後、UI/UXデザイナーとして新規事業立ち上げ中心に4事業に携わる。本業と並行し、描いて共有し「想いを見える化」するグラフィックレコーディング活動を開始。400カ所以上で活動を行う。その他、ビジュアル・シンキング授業を全国10校以上で実施するなど、教育現場にも参加。2020年よりSlack botコミュニケーションアプリ「Colla」のデザイン開発も行っている。

Twitter
https://twitter.com/wanami3103

 

小学生時代の夢は図工の先生。今では10校以上で講師を行う

 

はじめに、和波さんのご経歴について教えてください。

大学時代は情報デザイン専攻で、グラフィックデザインやUXについて学んでいました。大学3年のときにインターン先でサービスデザインに関わったのがきっかけで、将来はサービス作りに関わりたいと思うようになったのです。

ただ、サービスを作るにはデザインの技術をつけるだけでなく、まずはクライアントワークを通してサービスの先の世の中を知るところから始める必要があると思い、株式会社デジタルガレージにグラフィックデザイナーとして入社しました。

デジタルガレージではどのようなお仕事をされたのですか?

駅のポスターやアイスのパッケージ、サイト、ロゴのデザインなど、デジタルとアナログで幅広く取り組んでしましたね。

デジタルガレージに約3年間勤めた後、株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)へ転職し、現在も勤めています。

DeNAではどのようなお仕事をされているのでしょうか。

新規・既存関わらず、事業の開発に携わりUI/UXデザインをしたり、グラフィックなどマーケティングに関わったりもしていますね。その他プランナーのような仕事もしています。

デザイナーという職種に留まらず、いろんな業務に取り組んでいるのですね。和波さんがデザインに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

小学生の頃から、リアルタイムで絵に起こすのは得意でした。文字だけの構造理解はあまり得意ではなくて。絵にした方が関係値やプロセスがわかりやすいなと、子供ながらに思っていたんですよね。

あと小学校のときに図工の先生に憧れて、将来は図工の先生になりたいと思っていました。先生になる夢は叶わなかったのですが、現在は高校や大学でビジュアルシンキングやグラフィックレコーディング(以下「グラレコ」という)の授業を行えているので、子供たちの考えを具現化するという観点で見るとその一端を担えています。

講師をした経験からお声がかかるようになって、今では小学校から大学まで10校以上で授業をしてきました。本当に周りの方に支えられていますね。

グラレコで会議が短縮!副業はお金を稼ぐためではない

和波さんが、グラレコを始めたきっかけを教えてください。

あるアプリ開発で毎回50人ほど集まって5~6時間会議していて、デザインの話をするだけでも1~2時間はかかっていたことがきっかけです。

そこで会議の内容を絵と文字で表現して議論していくと、なんと30分ほどで終わったのです。とても効率的だと思ったのですが、本業は当時グラフィックデザイナーだったのでグラレコで成果を出すのは求められていなかったですし、私自身も本意ではないと思ったので、2014年頃から副業として社外でグラレコ活動を始めました。

 

初めて行なったグラレコのお仕事は、どのような内容だったのでしょうか。

IT技術を使って日本の地域課題を解決している「一般社団法人 コード・フォー・ジャパン」の、『Code for Japan Summit2014』で、初めて人が集まる社会の場でグラレコを行いました。予想以上に反響があって、翌日には4つほど仕事のお声がかかりました。

そのイベントで出会った共創型サービスデザインファーム「株式会社グラグリッド」の方々とは今でもパートナーとしてお仕事をいただくことがあり、お世話になっています。

1つ1つの仕事が次につながっているのですね。今まで、仕事を獲得するうえで苦労したことはありましたか?

あまり「獲得」を意識していなくて。依頼された内容と、やりたい内容がマッチしていたらやってみるということを繰り返してきただけでした。心の底から楽しめる仕事としてグラレコに取り組んでいたら、ありがたいことに次々と仕事の場が広がっていきました。

和波さんの中で、副業で稼ぎたいという想いはあまりないのでしょうか。

そうですね。目の前に課題があって、私が持っているスキルで少しでもプラスに導けるのであれば挑戦してみたいですし、もし私の力では及ばない場合は他の適任者に仕事をお願いします。

今向き合っているクライアントさんや、その先のユーザーに幸せになってほしいという想いで副業に取り組んでいて、それは本業でも同じですね。

副業を始めるには、WhatとWhyを深掘りしてHowを探すべし

副業にこれから挑戦したい方は、まず何から始めれば良いでしょうか。

自分が興味のあるものをとことん分析してみると良いと思います。例えば、通学のときに思わず見てしまうもの、Twitterで思わずクリックしてしまう投稿など、ふとしたときに何を見て、何を感じるのか意識してみてください。

無意識のうちに情報を取りにいってしまうものこそ好きなものだと思いますし、それをもとに副業の内容を決めてもいいと思います。

自分の興味関心に向き合うことが大事なのですね。

デザイナーという職種になりたいのか、それともデザインを活かして作りたいものがあるのかによって、やるべきことは変わってくると思うので、まずは普段何を見ているか(What)、なぜやるか(Why)を深掘りしてからやり方(How)を探すことをおすすめします。

Howは調べるといくらでも出てきますが、WhatとWhyは自分の中にしかない情報だと思うので、とことん向き合ってみてください。

興味のあるものが、本業とかけ離れていても問題ないですか?

身につけたスキルが、本業に活かせないことはないと思いますよ!コロナ禍でリモートが増え、職業の線引きがよりグラデーション化してきているので、各職業をハッキリと分ける必要はないと思います。

例えば、デザインのスキルは営業の資料作成にも役立ちますし、会議中のメモ書きでも役立つかもしれないですよね。スキルはどの職業にも浸透していける、液体のようなものだと考えると良いかもしれません。

デザインスキルはデザイナーだけではなく他職業にも役立つと考えると、視野が広がりますね。

自分自身で職業に線引きして、視野を狭める必要はないと思うのです。私もそうなのですが、新しいことを始めるときに「無理かも」とガードしちゃっているのは大抵の場合は自分自身なんですよね。

その線引きは本当に正しいのか、見つめなおすことが大事です。

副業では自己開示が必須!自分をデザインしてアピールしよう

職業に線引きをする必要はないということは、本業と副業の間にも線引きはしていないのでしょうか。

まさにその通りで、私の場合は本業と副業の間にハッキリとした境目はありません。心惹かれるものを優先して仕事にしてきて、それがたまたま本業・副業になっているだけですね。

興味があって仕事としてやってきたことが人や社会のためになっていたら嬉しいですし、その結果として成果が出せて対価をいただけるのであればさらに嬉しいという考え方です。

興味を優先した結果、本業も副業も楽しめているのですね。和波さんは今後、どのような働き方をしていきたいのか教えてください。

最近、コロナでフルリモート勤務なので自分にとって居心地良く暮らせる働き方を重視していますね。昔は人からの見え方を気にしていましたが、今は自分の感覚を大事にできています。私がきれいだと思ったらきれいですし、嫌だと思ったら嫌ですし。

自分の本質を見つけるための時間を大切にして、日々過ごしています。

あとは大学非常勤講師を予定しているので、力を入れていきたいです。教育の場を通して、未来を創る子供たちに少しでも影響を与えていけたらと思っています。

 

最後に、これからデザイナーとして副業に挑戦しようとしている方へ向けてメッセージをお願いします!

過去制作した作品は、他の人が見れる形にしておくことをおすすめします。ポートフォリオをいちから作るのは大変だと思うので、InstagramやPinterestに載せてもいいですし、スマートフォンのカメラロールに画像をまとめておくだけでもいいと思うのです。

人に会ったときに「最近こんなことやってるんだ」と話せる状態にするのが大事ですね。自分とは違った反応を得られるのはすごく楽しいですし、作品を見てもらうことでお仕事につながるかもしれないので。

あとはWantedlyやFacebook、Twitterなど、プロフィール情報入力ページがあるプラットフォームに、「こんなことをしています」と書いておくことも大事です。自分の情報にたどり着ける小道をできるだけ多く作ることを意識すると良いと思います。

自己アピールすることが大事なのですね。

インターネット上だけに限らず、周りの方に「こういうことやってみたいんですよね!」とアピールするのも重要です。私は実際に、「グラレコを活かせる場所ってないですか?」と周りに相談したことで、講師やイベント、MTGでのグラレコ活用のお話が来ました。

それ以外にも、周りにアピールすることでキャッチフレーズができるというメリットもあります。例えばただの山田さんよりも、イラストが得意な山田さん、Excelが得意な山田さんというように特徴があった方が声をかけやすいですよね。

名前だけで自分のことを知ってもらうのはとても難しいので、人と会ったときに何ができるか端的にお話できると、印象に残りやすいと思います。

情報の提示を意識して、気づいてもらうよう工夫したりすることもデザインの一環なので、きっと楽しんでできると思います!

デザインの実績がない方でも、すぐに実践できそうなアドバイスばかりですね。本日はありがとうございました。

※写真はすべて、2019年頃迄に撮影したものになります

 

インタビュアー・執筆者 もりはる

副業・複業・パラレルワーク・フリーランスなど、自由な働き方に関する情報を届けるメディア「はたらく探求部」を立ち上げ、現在は企画・編集・ライティングを担当しています。
Twitterアカウント▶@moriharu000

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