
最近は、フリーランスでエンジニアをする方が増えており、場所や時間に捉われない自由な働き方ができるようになってきました。
この記事を読んでいる方の中にも、フリーランスエンジニアとして活躍していきたいと考えている方がいると思います。
しかし、フリーランスエンジニアとして仕事を探しているときに「企業にポートフォリオを提出すべき?」「どのようにポートフォリオを作ればいいの?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、エンジニアがポートフォリオを作るメリットについて解説しつつ、具体的な作成手順を解説していきましょう。
エンジニアのポートフォリオとは
エンジニアにおけるポートフォリオとは、今までに作成した作品を一つにまとめたものを指します。
今までは、ポートフォリオといえばデザイナーが自分で描いた作品をWeb上に公開したものを指すことが多く、企業が作品を見て採用の判断を行っていました。
しかし、最近ではデザイナーに限らず、エンジニアにもポートフォリオの提出が求められるようになっています。
エンジニアは、ポートフォリオとして一から作成したWebサイトやスマートフォンアプリを提示することで技術力の証明につながり、自分のスキルをアピールできます。
また、未経験でエンジニアを目指している方には実績がないため、ポートフォリオで現時点のスキルを証明するのはとても重要なことなのです。
エンジニアがポートフォリオを作成する3つのメリット
エンジニアがポートフォリオを作成するメリットは、主に以下の3つがあげられます。
- 自分のスキルを証明できる
- やる気や将来性の評価につながる
- 採用後のミスマッチを防げる
メリット1:自分のスキルを証明できる
ポートフォリオは、自分が一から作った作品を掲載するため、客観的に自分のスキルをアピールできます。
もし、ポートフォリオを作らずに履歴書と職務経歴書のみで判断する場合、書面上の情報だけで選考を進めていくため、技術力をアピールするのが難しいのです。
特に未経験者の場合は実績がないため、どれだけ口頭で伝えたとしても現時点のスキルを上手く証明できません。
そこで、一から作成したポートフォリオを共有することで、全くの未経験ではなく、ある程度の技術力があると判断してもらえる可能性があるのです。
メリット2:やる気や将来性の評価につながる
ポートフォリオを作成することで、やる気や熱意を伝えられる可能性があります。
企業の中には、ポートフォリオを必須としていない企業も存在するため、そこでポートフォリオを提出すると、積極的にアピールできる人材であると評価されやすいのです。
たとえ完成度の低いポートフォリオだったとしても、一から自分で作成したという証明が重要なため、できる限り作成するのをおすすめします。
メリット3:採用後のミスマッチを防げる
エンジニアはスキルの証明が難しいため、実際に仕事を依頼した後に、想定していたスキルに達していないと発覚する場合があります。
そこで、ポートフォリオである程度のスキルを証明することにより、仕事を依頼してからのミスマッチを防ぎやすくなるのです。
もし、仕事を依頼してから想定よりもスキルが低いとわかった場合、その依頼を取り消して新たな人材を見つける労力が発生してしてしまいます。
仕事を受けた人材も、新たな仕事を見つけなければならないため、双方にとってデメリットしか生まれません。
したがって、採用後のミスマッチをできる限り防ぐためにも、事前にポートフォリオで実力を見定めておくのが重要なのです。
エンジニアのポートフォリオを作成する流れを6ステップで解説
エンジニアのポートフォリオを作成するためには、以下の6ステップに沿って進めていくのがおすすめです。
- アピールしたいポイントを整理する
- ポートフォリオで取り上げるものを決める
- ポートフォリオで公開する作品を制作する
- ソースコードを公開する
- 制作物のポイントをまとめる
- 共有できる形に整える
ステップ1:アピールしたいポイントを整理する
まずは、ポートフォリオでどのようなスキルをアピールしたいのか明らかにしましょう。
たとえば、「現在金融関係のシステムを担当しているため、金融系の業務知識やWebアプリケーションの知見をアピールしたい」などです。
アピールしたいポイントが決まれば、次のステップ以降で取り上げるべきものが明らかになっていくでしょう。
ステップ2:ポートフォリオで取り上げるものを決める
アピールポイントが決まった後は、ポートフォリオとして取り扱うものを決めていきます。具体的には、Web上に公開するサービスやiOSアプリなどがあげられます。
取り上げるものは、自分の証明したいスキルに応じた選択が重要です。たとえば、斬新なアイデア力をアピールしたいのであれば、今まで開発されていないようなスマートフォン向けのアプリを作成するなどです。
取り上げるものが決まれば、必要な環境設定やプログラミング言語も明らかになるため、何を作るのかを早めに決めるのは重要といえます。
ステップ3:ポートフォリオで公開する作品を制作する
ここからは、いよいよポートフォリオで公開するものを制作していきます。
Web上にサービスを公開する場合には、サーバーの準備やドメイン取得などの環境構築も必要となるため、事前に作業を洗い出しておきましょう。
iOSアプリについても、AppStoreで公開する場合は審査を通過しなければならないため、共有するまでの事前準備が必要です。
制作中はアピールポイントを意識しながら、コーディングなどを進めていくのが大切です。
ステップ4:ソースコードを公開する
ポートフォリオを作成した後は、制作したソースコードも合わせて公開する必要があります。
エンジニアにおいてプログラミングスキルは重要視されるため、実際にコーディングしたソースコードは大きなアピールにつながります。
特に、誰にでも見やすいようなコーディングを実現することで、保守性の高いソースコードだと評価されやすいです。
ソースコードを公開する場合には、世界中の人々がコードやデザインデータを公開している「GitHub」を利用するのが良いでしょう。
ステップ5:制作物のポイントをまとめる
ポートフォリオの制作が完了した後は、制作時に意識したポイントなどをまとめましょう。
ポートフォリオだけを共有したとしても、意識して作ったポイントを相手側が見逃してしまう場合があります。上手くアピールするためにも、ポートフォリオの作成で意識したポイントを洗い出し、共有時に伝えるのが大切です。
せっかく作るのであれば、相手側にも自分のアピールポイントを余すことなく伝えるようにしましょう。
ステップ6:共有できる形に整える
最後は、今まで作ったポートフォリオを企業へ共有できる形に整えていきます。
Web上に公開した場合には、ソースコードを本番環境にデプロイし、ブラウザからサービスの閲覧ができるかを確認しておきましょう。
もし、Web上には公開せずローカル環境で制作した場合には、ファイル共有システムやGoogleドライブなどを利用して、事前にソースコードを共有しておく必要があります。
スキルを証明するためにもポートフォリオは重要
エンジニアにおけるポートフォリオは、自身のスキルを証明できるものとなるため、実績がない方ほど重要です。
他にも、スキルを証明することでお互いのミスマッチを防ぎやすくなるため、双方にとってメリットとなります。
これからポートフォリオを作成しようと考えている方は、今回紹介した6ステップに沿って作成を進めていきましょう。
執筆者 Yukki
大学卒業後、第一地銀、外資系コンサルに勤務し、現在はエンジニア業務をこなしながらライター業にも従事。取り扱うテーマは、これまで勤務経験のあるテクノロジー領域を中心に発信。これまでの専門性を活かした読者のみなさまに貢献できるような内容を積極的に取り上げていきたい。